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キーエンス流営業力強化に学ぶ(その10)

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    キーエンス流営業力強化シリーズとしては、久しぶりの投稿になります。
    今回のテーマはキーエンス流『ソリューション営業の実践』となりますが、少々長くなってしまいました。

    ちなみに、「ソリューション営業」とは、一般的に「お客様が抱えている問題・課題に対する解決策を提案して、実現に必要な商品・サービスを提供する営業活動」といえますが、明確に定義されているわけではありません。

    つまり、単なる商品売り込みではない、課題解決型の営業といえます。

    キーエンスでは、設立当初から国内外とも「ダイレクトセールス」と呼ぶ直販を営業の基本としています。同業界の企業では、直販と代理店販売を併用している場合が多いものですが、キーエンスは一貫してこれを継続しています。

    ソリューション

    様々な目的や経緯があると思いますが、大きく3つの期待成果があったのではないでしょうか。

    1)商品・サービスの優位性を維持・強化するため、お客様により近い営業からのニーズや競合情報を集約して商品開発に反映させるため。

    2)商品自体の付加価値に加え、営業活動における付加価値をお客様に提供するため。

    3)本来であれば代理販売に伴って発生する手数料やインセンティブを源泉に、商品開発やサービス向上につなげるため。(高収益に貢献)


    ちなみに、2)の「営業活動における付加価値」を具体的に説明しますと、
    例えば、ある装置に組み込まれたセンサがうまく作動しないためにラインが止まってしまう事態に陥った際、キーエンスの営業に相談すると、当日もしくは翌日にはとんで来ます。センサを扱っている営業であれば、数十点のセンサや治具を収めたアタッシュケースを持ち歩いていますので、状況によってはその場で解決方法を提案できます。そして、翌日には新しいセンサが届けられます。

    一般的に、代理店経由の営業ではそうはいかないものです。技術的な相談ができる要員も少ないですし、納期に数日かかるケースもあります。

    製造ラインにとっては、1分1秒の納期遅れが命取りになることもありますし、ライン停止はそのまま大きな損失に繋がってしまいます。

    従いまして、キーエンスにおける営業人材の育成・開発は重要テーマの一つとなっています。

    私が知っている限りでは、自身が1998年に新卒で入社した年から、ある方法論をベースにキーエンス流にアレンジした営業研修メニュー(特に面談手法)が導入され、平日の夜や土曜など定期的に研修が行われました。
    当初は座学ベースの研修もありましたが、その後は基本ロールプレイングを実施するものでした。

    そもそも「ソリューション営業」を実践するには、
    お客様との面談において、お客様のご要望をズレなく理解し、その要件に至った経緯まで知ることが重要です。
    その上で様々な提案やサポートが行えるというものですが、表面的な要望だけを鵜呑みにして対応しようとする人は、最終的にお客様の要求に応えることが出来ず、相手の満足感も望めません

    そこで、効果的な面談手法を活用して、お客様のニーズについて明確に認識し、そのニーズに至った背景まで完全に把握した上で、お客様(企業)が最終的に果たしたい包括的なニーズを探り出す訓練(ロールプレイング)を継続して行うのがキーエンス流といっても良いかもしれません。

    包括的なニーズとして、例えば企業の生産性に関わるニーズお金に関わるニーズ(コスト削減や売上改善など)がありますが、より大きな視点に焦点を当てることは、商談を進めていく上で非常に重要なファクターとなります。

    例えば、イメージしてもらいやすいよう、ある企業が新しいパソコンの導入を検討されている商談を想定します。
    特に「持ち運びやすく」「高いセキュリティ機能」を要望されていた場合、何故そのような機能を必要とされているのか、そのニーズに至った背景を把握する必要があります。
    ヒアリングを行うと、以下のような情報を伺えたとします。

    ・パソコンでは、主にメールとオフィスソフトによる資料作成がメイン
    ・人材の出入り(入社・退社)が激しい
    ・営業担当者は月に数回ほど出張している
    ・お客様へのプレゼン機会が多い

    ここで、それぞれの要望に沿った機能や特徴の紹介をしたくなるものですが、現時点の情報では包括的なニーズを訴求するには至りません。

    そこで、出張が多いために「持ち運びやすい」パソコンを要望されている想定で、ユーザーにとって“持ち運びやすい”とはどういうことなのかを掘り下げます。すると、室外(現場)での利用が多いことが分かり、不慮の衝撃や雨滴による故障・修理が頻発していることが分かりました。

    ややもすれば、単に軽いパソコンを要望していると思い込みやすい罠であり、堅牢設計をウリにしているパソコンや衝撃を受けてもデータを保護する機能などを訴求できる可能性が見込めます。

    また、「高いセキュリティ機能」についても掘り下げます。
    どの様なセキュリティを期待しているか、パソコンの利用方法、パソコンで取り扱うデータ(情報)について詳細を確認してみます。

    すると、パソコンは共有で利用することもあり、業務上、お客様の個人情報を預かることもあるということが分かり、会話の中で「あまりお話したくない話題ではありますが・・」と前置きをした上で、過去に個人情報の漏えい事故が発生して、情報管理の徹底が指示されていることが判明しました。

    ここまでニーズに至った背景を押さえられると、提案の焦点も定まります。
    例えば、
    ・落下の衝撃や浸水などに強い堅牢設計や、内部のデータを守る保護機能による故障・修理のリスク軽減(生産性、コスト削減)
    ・データの暗号化や指紋認証機能によるデータへのアクセス制限(情報漏えいした場合の賠償金や売上低減リスクの回避)
    などが考えられますが、「プレゼン機会が多い」という背景から、タブレットやハイブリッド型PCの提案もあり得そうです。

    あるいは、社員の出入りが多く、パソコンを共有して利用するという背景から、ハードウェアの提供にとどまらず、シンクライアントの導入、あるいはクラウドによるデータ共有などの追加提案も期待できそうです。

    商材によっては、単価勝負に陥りやすいケースもあるかと思いますが、トータルコストの削減や経営インパクトの大きいリスク回避、あるいは攻めの売上アップなどを最終的に果たしたい要望として焦点をあてることが出来れば、商談の勝率も大きく変わるという実績からくる根拠に基づいています。

    理屈では分かっていても、営業メンバーに理解・浸透させる仕組み作りが難しいといえますが、解は一つではありませんので、課題を認識されている営業マネージャには、一度社内でロールプレイングを実施して頂いて、現状を把握することから始められることをおススメします。

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